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肌 ①色と薬

2017.02.04

お知らせ

こんにちは、井上です。
 
これから肌、色、ハリキメ、しわたるみなどについて、一般的なお話しや薬・レーザー・光・注入剤などの治療に対する考えなどを、ときどき&とりとめなく書いていきたいと思います(続くかな)。
 
今日は肌の色調と、主に飲み薬についてです。
 
 

肌の色調の印象の基本はメラニン、ヘモグロビンなどにより決まります。
 
その他に、肌全体の印象として、しわ・たるみ・窪み・毛穴の開きがあると実際よりも暗くくすんで見えたり、肌理(キメ)が整いハリがあると実際より白く明るく見えたり、などの影響も大きく受けます。
 
また一つ一つのシミは、毛細血管の拡張と一緒にあると濃く見えますし、ベースの肌の色が白いとシミはより目立ちます。
 
その方の肌質に合わない手入れ(摩擦や化粧品かぶれ)や治療(肌質・適応を無視したトレチノインやピーリングなどの乱頻用)によって長らく過酷な環境下にあった肌は、とても薄く脆弱です。
膨らませ過ぎた風船のようにテカテカ(これを艶と勘違いしている方もいます)と不自然に見えるだけでなく、有効な治療の妨げとなります。
 
それらを総合的に考えて、肌全体の色調の印象を大切にした診療を行っています。
 
 

当然ながら、肌の色に最も大きく影響するのはメラニン色素です。
 

絵本 しろいうさぎとくろいうさぎ より
 
 

メラニンにはユーメラニン(黒色)、フェオメラニン(黄色)があります。

細胞の中のチロシンというアミノ酸が、チロシナーゼにより酸化され、ドーパ、さらにドーパキノンに変換されてユーメラニン(黒色)とフェオメラニン(黄色)になります。
 
システインの量が少ないと、ユーメラニン(黒色)になります。
ユーメラニン(黒色)とフェオメラニン(黄色)の制御の中心となる遺伝子は、そばかす(雀卵斑)に関与する遺伝子でもあります。
 
 
 
当院でシミや炎症後色素沈着などの患者さんにL-システイン(ハイチオール)、アスコルビン酸(シナール;ビタミンC)を服用していただく理由は、これらの薬が
 
・メラニンの合成過程に働くチロシナーゼの合成や活性を阻害する
・メラニンをドーパキノンに、ドーパキノンをドーパに還元する
・そもそもシステインが少ないとユーメラニン(黒色)を多く合成してしまう
 
からです。
 
ちなみに肝斑、炎症後色素沈着、炎症性の毛細血管拡張のある患者さんには、トラネキサム酸も服用していただきます。
メラノサイトを活性化するプラスミンに対しての、抗プラスミン作用があるためです。
 
ビタミンE(ユベラ)は、実は当院ではあまり処方する機会がありません。
当院の美容の患者さんは、熱心で几帳面なあまり、またはがさつで豪快に力が有り余って、漢気あふれる(実は間違っている)肌の手入れを続けられた結果、皮膚が薄く脆く毛細血管が拡張してしまっている方がとても多いからです。
 
 

メラニンは表皮基底層に存在するメラノサイト(色素細胞)で作られ、膜構造に囲まれメラノソームとしてメラノサイト(色素細胞)のなかを運ばれます。
 
メラノサイト(色素細胞)はヒトデの手のように樹状突起を伸ばして周囲のケラチノサイト(表皮角化細胞)にメラノソームを渡し、表皮全体に色が広がっていきます。

角化細胞に受け渡されたメラノソームはその細胞の核の上方に帽子をかぶったように集中して分布し、紫外線からDNAを守っています。これをメラニンキャップと呼びます。
(このメラニンキャップが過酸化脂質の影響を受けることが頑固なシミの一因である、として、それに作用するという美白化粧品も話題になりましたね)
 
日照量の多い地域では、紫外線からDNAを守るために皮膚は黒くなる必要があるわけです。
 
これに対し、日照量の少ない地域では、ビタミンDの代謝のために皮膚は白い方が効率的なのですが、反面色が白い人はメラノーマ(悪性)を発症しやすいので、色白の人(人種)ほど紫外線を防ぐ必要性が高いのです。
 
 
当院ではシミの診断には必ずダーモスコピーを用い、また必要時は2名の医師によるダブルチェックを行って、悪性(皮膚癌)との鑑別を行っています。
 
これから紫外線も増えてきます。
シミやくすみなど肌の色のご相談はお早めにどうぞ。
(とりとめなくてごめんなさい)
 
 
浄水皮ふ科クリニックHP http://josui-hifuka-clinic-com.check-xserver.jp/wp/

 
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