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抗血栓薬の術前の休薬期間について(9/8の続き)
2016.09.14
お知らせ
先日のblog
手術やヒアルロン酸注入時における抗血栓薬の休薬~再開について
http://ameblo.jp/0927538119/entry-12198057346.html
で、より大切な術後の再開のタイミングについて先に書きましたので、今回は術前の休薬について。。。
抗血栓薬(いわゆる抗血小板薬と抗凝固薬の総称)は、血液がサラサラになる(固まりにくくなる)薬として、多くの患者さんに服用されています。
血液は正常では流動性を保って血管内を流れており固まることはないのですが、ある病的状態では血栓を作って血流を途絶えさせ、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。
血栓形成に関わる主要な因子としては「血小板」と「フィブリン産生に関わる凝固系」があり、血小板と凝固系は連動して血栓を形成し、病的状態では両方の活性化が影響しています。
しかしどちらが主たる役割を果たすかは病態によって異なり、また各病態における血小板、凝固系の活性化の原因は様々です。
おおまかには
血流の速い動脈内で血栓が形成される際には、血小板が血管壁に粘着し血栓形成の足場を作り凝集することが必要です。
血流の遅い、例えば心房内や静脈での血液のうっ滞によって血栓が形成される場合は、血流うっ滞により血液凝固が一時的に亢進し、そこにフィブリンが作られ、血小板や赤血球などの血球が絡み合って血栓が大きく成長し、脳動脈や肺動脈に流れて閉塞することにより塞栓症を引き起こします。
しかし実際の血栓形成はそんな単純なものではなく、抗血栓療法は従来の
「血小板血栓には抗血小板薬、フィブリン血栓には抗凝固薬」
という選択から、現在では血栓形成の考え方を基盤とした各薬剤の病態生理学的薬剤選択へと転換しており、また新薬の相次ぐ登場もあって、複雑化しています。
術前の休薬期間(または休薬しない)については、患者さんの病態、服用している薬の種類、手技の侵襲度によって異なりますが、各学会のガイドラインをもとに様々な病院で独自のプロトコールが作成され対応されています。
患者さんの病態と手技の侵襲度(出血リスクの高さと止血の困難さ、出血による合併症の重篤さ)は様々ですのでここで画一的に述べることはできませんが、いざ薬剤を中止するのであれば何時間~何日前から、という点に関してのおおまかな目安の一例です↓
血がサラサラになる薬とは思ってなかった!という方も、もう一度よく服用中の薬の全て(お薬手帳をぜひ!)確認のうえ、主治医によくよくご相談ください。
(そもそも休薬しない、他剤に置換する、2~3剤併用の場合はアスピリンまたはシロスタゾール単剤に置換する、ヘパリン置換を行う、などの場合もあります。また、以下の薬のそれぞれ後発薬もたくさんあります。)
≪抗血小板薬または抗血小板作用のある薬≫
バイアスピリン(アスピリン) 3~7日前
プラビックス(クロピドグレル硫酸塩) 5~7日前
コンプラビン配合錠(クロピドグレル硫酸塩/アスピリン) 14日前
パナルジン(チクロピジン塩酸塩) 5~7日前
エフィエント(プラスグレル塩酸塩) 5~7日前
プレタール(シロスタゾール) 1~3日前
ドルナー、プロサイリン(ベラプロストNa) 1日前
アンプラーク(サルポグレラート) 1日前
エパデール(イコサペント酸エチル) 7~10日前
オパルモン、プロレナール(リマプロストアルファデクス) 1日前
ペルサンチン、アンギナール(ジピリダモール) 2日前
ロコルナール(トラピジル) 2日前
コメリアンコーワ(ジラゼプ塩酸塩) 2日前
セロクラール(イフェンブロジル酒石酸塩) 2日前
ケタス(イブジラスト) 3日前
≪抗凝固薬≫
ワーファリン(ワルファリンカリウム) 3~5日前
プラザキサ(ダビガトラン) 1日前
イグザレルト(リバーロキサバン) 2日前
エリキュース(アビキサバン) 2日前
リクシアナ(エドキサバントシル酸塩) 1日前
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