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水いぼ?いぼ? by 院長

2017.05.12

皮膚科

こんにちは。院長です。 

このところ急激に暑くなったり突然雨が降って冷えたりと、天気も落ち着きがありませんね。 体調管理が難しい時期ですが、皆さまおかわりありませんか。

 
 
このところ水いぼで受診されるかたが増えてきています。
もうすぐプールが始まるからその前に、、という理由で受診されることも多いです。
 
水いぼとは 伝染性軟属腫ウイルス というウイルスの感染症で、pox virus というウイルスの種類のうちの一つ(pox virusは50種類以上もあります)になります。
 
このウイルスは人に好んで感染し、皮膚の表皮という浅いところで増殖します。
 
 
水いぼの見た目の大きさは数ミリ(稀に巨大化して1cm程度までなることもありますが)の小さい丘疹で、表面がつるつるして光沢があり、やや白っぽくみずみずしい印象です。
よく見ると中央がくぼんでいます。
 
基本的には水いぼに感染している人の皮膚と直接接触することでうつりますが、プールや入浴、水遊びのときは、直接接触でなくても、タオルやビート板などを介して感染することもありえます。
 

 

水いぼのある皮膚と接触感染をしてから発症するまでには2-7週間程度かかるため、いつ感染したかを特定することは難しいことが多いです。
 
 
水いぼはまだ皮膚の免疫が弱い子供によくできますが、通常は10歳以上になるとある程度皮膚のバリア機能が強くなり、感染しにくくはなります。
乳幼児以外にも、アトピー性皮膚炎など、皮膚のバリア機能が弱い人は感染しやすいです。
 
 
水いぼは通常は無症状ですが、周囲に湿疹を起こして強い痒みを訴えることもあります。
 
水いぼ周囲の痒みや、アトピー性皮膚炎の方ではアトピーによる湿疹のかゆみもあいまって、水いぼを掻きむしってしまい、
水いぼのウイルスのついた手で全身あちこちを触るため、次々に感染し全身に拡大することもあります。
 
また夏になると、かきむしりにより細菌感染まで併せて起こしてしまう(伝染性膿痂疹、いわゆるとびひ)こともあります。
 
 
子供に多い水いぼですが、身近なヒトからの感染が多いため、時に親や保育士さんに感染を起こすこともあります。
 
(尚、大人では一部は性感染症としての側面もあり、陰部や顔面に多発する際はHIVを含めた採血が必要なこともあります)
 
 
 
 
時々、イボと水いぼはどう違うのですか、と外来できかれることがあり ますが、
 
いわゆる俗にいうイボは尋常性疣贅という病名で、 ヒト乳頭腫ウイルス(HPV;human papilloma virus) という、水いぼとは全く違うウイルス感染症になります。
 
見た目もゴツゴツ、ざらざらした白っぽいイボで、主に手や足指、足の裏(膝も多い)を中心に感染します。(詳細は以前のブログhttp://ameblo.jp/0927538119/entry-12224286528.html
 
水いぼは主に体幹、四肢どこでも生じますが、腋窩、肘窩、鼠径部などの皮膚の薄い擦れる(間擦部位)ところにも多く生じます。
 
 
また、俗にいうイボ(尋常性疣贅)は、一度感染したらその同じ場所でゆっくり大きくなり、また新しい場所に感染することはあっても少数であったり、うつるペースもゆっくりだったりするのに対し、
 
水いぼは、一か所にできたら体の他の場所に 2-3週間程度の短いスパンで次々と感染を起こすこともあり、気がついたら全身あちこちに広がってしまった!ということもしばしば見受けられます。
 
 
イボ、と一口にいっても、その種類によって特性が違い、好む場所、増えるスピードも違うようです。
 
 
 
≪ 水いぼができてしまったら ~ 治療 ≫
 
水いぼは、健康な子供では発症後半年~3年程度経過すると、取れて(脱落)して自然に治るといわれています。
 
しかし、いつ脱落するのかを予測することは、個人差もあり現実には難しい状態です。
 
水いぼは良性の病気(悪性疾患ではない)であり、自然治癒も望めるため、治療の必要はない、という意見もあります。
 
けれど、
 
 
・実際には保育園や幼稚園などの集団生活、プールや水遊びなどで、他の子供さんにもうつしてしまうことがあること
 
・水いぼが治るまではプールには入れないこともあること
 
・水いぼが全身に増えていくのを見ているお母さんもとてもつらいこと
 
・実際に水いぼが増えてしまってからの治療となると、数も多くなり、お子さんの負担も増えること
 
 
など、いろいろな理由で、やはりできたら早目に治してあげたほうが良いのではないかと思います。
 
 
 
水いぼの治療は、取ってしまう(摘除)ことが一番確実です。 
 
摘除するときは、事前に麻酔のテープをお渡しして貼っていただき、麻酔が効いた状態で行うためほとんど痛みは感じません。
 
 
しかし、最初から 取ります! となると、お子さんも怖がってしまい、お母さん共々まだ心の準備ができないこともあります。iv>
 
そのような時はお母さんと話し合い、まずは痛くない外用と内服から開始し、おうちでもお子さんとゆっくりお話してもらって心の準備ができてから、のほうが治療がスムーズに行えることもあります。
 
お子さんも、その方が納得してから行うため、あまり怖がらずにできることが多いです。
 
お子さんの性格にもよりますから、どの方法が一番いい、というのはありませんが、 少しでも怖くないよう、病院嫌いにならずにすむような環境にしていけたらと思っています
 
 
浄水皮ふ科クリニックHP http://josui-hifuka-clinic-com.check-xserver.jp/wp/

 

 
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