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梅毒の流行 by 院長

2017.03.01

皮膚科

こんにちは、院長です。  

今日から3月、梅の花もちらほらと見かけるようになりました。

皆さまおかわりありませんか。
 
さて梅といいましたら、このところ感染症の一つである梅毒が流行しています。
梅毒でみられる発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることからこの病名がつけられたそうです。
 
当院でも湿疹や発疹との主訴で受診された患者さんが、検査の結果梅毒と判明することがあります。
 
梅毒は15世紀末から世界中に広がったとされています。
第二次世界大戦後は治療薬であるペニシリンの普及によって激減しましたが、その後も各国で何回か再流行がおこっています。
 
日本では1967年に報告された1万1000人以降は減少傾向にありましたが、2010年以降は再び増加傾向にあります。
昨年は日本全体で約4500~4900人、福岡に関しても100人強の感染が
報告されています。(報告されていない症例も少なくなく、実際の患者数はもっと多いと思われます)
 
 
梅毒は性的な接触(他人との粘膜や皮膚との接触)により感染を起こします。
 
Treponema pallidum(以下T.P) という病原体による感染で、まずは局所に感染を起こしてそのあと全身へ拡大するのですが、時間をかけてゆっくりと慢性に経過する病気でもあります。
 
 
梅毒は感染して経過した期間によって、症状が出現する場所や内容が変わってきます。
 
 
1)第1期梅毒(感染後約3~6週間)
T.Pの侵入した(感染した)部位、つまり陰部、肛門部、口唇部、口腔内に、痛みを伴わない赤っぽいしこりができます。
その後自然消退しますが、体から菌がいなくなったわけではありません。
 
2)第2期梅毒(感染後約3カ月~数か月)
T.Pが血流にのって全身に播種し、手のひら足の裏、体全体に赤いぱらぱらとした発疹などが生じます。
これも自然に消えることもありますが、治療をしない限り体の中に菌がいる状態です。
この時期にみられる発疹は多彩で、梅毒を疑わないと見落とされることもあります。
 
 
3)第3期梅毒(感染後数年)
感染後に治療されないまま数年経過すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのようなできもの(ゴム腫)ができたり、心臓や脊髄に病変が生じ、場合によっては死に至ることもあります。
現在は抗生剤で治療が行われるため、ほとんど見かけることはありません。
 
 
なお第1期と2期の間、および第2期の後の症状が消失した時期は「潜伏梅毒」といわれ、なんらかの検査の時、例えば検診や入院・手術前の採血検査などでたまたま見つかったりします。
 
妊娠中に梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染を起こし(先天梅毒)、死産、早産、先天奇形を起こすこともあります。
 
 
梅毒は抗生剤が使用されるようになってからは随分と減ってはいますが、まだまだ過去の病気ではありません。
一度抗体ができても再 感染することもありなかなか厄介です。
パートナーの方も治療が必要なこともあります。 
 
 
現在何か気になる症状がある、またはあったけれど消えてしまっている方は、早目に受診なさってくださいね。
 
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