こんばんは、井上です。

今回は（私にとって）どうしても聴講しないといけない講演がいくつかあり、人生初の仙台にやってきました。

先日の新潟が暑かったので薄着でやって来たのですが、仙台はまあまあ寒く、、、

月に数回は遠方に出張しているのに、旅慣れるって難しいです。

今回の学会参加の１番の目的である、4時間ほぼぶっ通しのダーモスコピーの教育講演。

「ダーモスコピー徹底講演上・下」

広い会場が満席＋立ち見の先生方も多数です。

患者さんは気軽に「シミ・ほくろを取りたい」と美容を受診されます。

しかし肉眼やただの拡大鏡・顕微鏡では普通のシミ・ほくろ・イボにしか見えないものが、ダーモスコピーの所見により皮膚ガンが疑われ、生検の結果、皮膚ガン手術に、、、

開院してたった1年の当院でも、そのような症例は既にあります。

ダーモスコピーが保険収載されてから10年。

今やダーモスコピーなしでは、シミ・ほくろ・美肌などの美容治療は、恐ろしくてとてもできない時代になりました。

ダーモスコピーは色素性病変に対してもはや必須の診断機器であることは当然ですが、色素性病変以外の角化性病変、血管病変、多彩なエクリン汗孔腫、ケラチノサイト系皮膚悪性腫瘍などの診断に対しても、非常に有益な所見を与えてくれます。

当院では、シミ・ほくろ・老人性いぼの治療をご希望の方には全例、皮膚科専門医によるダーモスコピー検査を実施し、皮膚ガンなど悪性の所見の有無を診ています。

悪性所見は認めずいざ美容治療、となった患者さんに対しても、スキンケア指導、レーザー治療、フォトフェイシャル、トレチノイン療法、美白剤などによる治療やそれらの併用の適応を検討し、その効果の程度、合併症の可能性などの予想の精度をあげるために、再度ダーモスコピーを用いて、角化の状態、色素の構造や深さ、血管の状態の観察を行っています。

また治療前だけでなく、コンピュータースキャナ付炭酸ガスレーザー（アキュパルス）によるほくろ、脂漏性角化症などへの治療の際にも、照射後にダーモスコピーで微細な色素残存の有無を観察し必要時は追加処置を行うことで、照射後の経過・予後（炎症後色素沈着や再発の可能性の有無など）をより正確に患者さんにお伝えすることができると考えています。

今回の教育講演もハイレベルかつ分かりやすく、大変勉強になりました。

また、今年公表される創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン第２版の、第1版からの改正点、変更点についても、確認したかったポイントでした。

当院は、無床の皮膚科形成外科クリニックとしてはかなり重症の部類にあたるような難治性慢性皮膚創傷、下腿潰瘍、熱傷の患者さんもよく通院されています。

第1版からは診療の基本には特に大きな変化はありませんが、ドレッシング材についての解説の充実や、「創傷の痛み」の項が新設されたことは印象的でした。

そしてランチョンセミナーは　☆　フォトフェイシャル　m22　☆

当院でもすでに使用を開始している、m22に新たに登場したvascular filter（赤ら顔などの血管病変用のフィルター）、 acne filter（ニキビ用）について、秋葉原スキンクリニック　堀内祐紀　先生のご講演を楽しみにしていましたが、とても参考になりました。

さっそく今後、もう少しアグレッシブな使用方法も(状況や患者さんによっては)検討していこうと思います。

皮膚科学会は規模が大きく、臨床に即した教育的な講演が非常に充実しており、同じ時間帯にどうしても聴講したい講演が複数重なっているのが常で、断腸の思いで講演を取捨選択しなければならないのがとってもストレスフルです・・・目と耳が最低3セットは欲しいところ。

そして、今日の午前診療後、決死の覚悟で一人で飛行機に乗ってきた院長と、仙台駅で待ち合わせ。

超絶方向音痴の私が、絶望的方向音痴の院長を迎えに行った結果、

「着いたよ～」、の電話があってから落ち合うまでに、駅構内を探し回ること1時間5分、、、

明日に備えて温存しておきたかった体力を消耗してしまいました。

せっかく姉妹そろったので、人生初の仙台の味覚

ホヤに岩かき、その他、気仙沼の味覚はとっても美味しかったです。

明日の学会最終日もしっかりと勉強してきたいと思います。

浄水皮ふ科クリニックＨＰ　http://josui-hifuka-clinic-com.check-xserver.jp/wp/