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乾燥とかゆみとお風呂 by 院長

2016.12.05

皮膚科

こんにちは、院長です。
12月も数日過ぎ、さすがに暖かくなることがなくなりましたね。

 
しかし、我が家の朝顔はまだ咲いています。頑張れ!と応援していますが、季節としてはいかかなものでしょうか・・。
 
 
 
さて、冬になって皮膚が乾燥し、かゆいと訴えて受診される患者さんが増えてきました。
実際に患者さんの皮膚は乾いており、さわるとかすかに「かさかさ」という音がします。
 

 
冬は外気の温度が下がり、湿度が下がります。 

そのため皮脂の分泌が減り水分蒸発量が増えたりすることで、皮膚本来がもっている保湿成分(天然保湿因子、細胞間脂質)が減少し、乾燥しやすくなります。
 
 
乾燥すると、普段は皮膚の下(具体的には表皮の下の真皮と表皮の境界線あたり)で静かにしているかゆみ線維が表皮の表面近くまで伸びてきます。
 
その結果、通常ではかゆみを起こさないほどの弱い刺激に反応して、かゆみを起こしてしまします。
 
 
冬になると特に、温まる目的でお風呂に長くつかる方が増えます。 

それが皮膚の乾燥に影響をあたえることがあります。
 
 
お風呂は、リラックスしたり、体を温めたり、循環をよくしたり、といろいろプラスの作用があります。
一日の終わりに ふーっ と一息つけるお風呂は、本当に気持ちがいいですね。

 
しかし、皮膚にとってはマイナスとなることもあります。

 
お風呂に入ると、皮膚の一番外側の層である角層が膨れて、みずみずしくなった状態になります。

一見うるおったように感じるのですが、実際には角層に含まれている天然保湿因子、細胞間脂質も同時にお風呂に流れ出します。
 
そのため、お風呂から上がってそのままの状態にしていると、お風呂前よりかえって乾燥してしまいます。
 
 
外来でお風呂に関してよく質問されます。 温度、時間、入浴剤の有無など・・・。

 
入浴方法や温度などは、体質や肌質や年齢など個人差がありますから、必ずこれが一番というのはないのですが、皮膚の乾燥を防ぐ入浴方法は概ね下記の感じになります。 
  

 
・温度について
   
39℃から40℃くらい
すでに乾燥がある方、かゆみのある方は38℃から39℃まで。 
 
※ 特に42℃以上になると乾燥やかゆみがすすむだけでなく、心肺機能に異常のある患者さんには危険ですし、特にご高齢の方は脱水に陥りやすく、梗塞などの血栓症のリスクが上がるためすすめられません。

 
・時間について 
 
これも難しいところですが、風邪をひかない程度で乾燥がすすまないように、と考えると、10分程度でしょうか。小さいお子さんはもっと短い時間で。
 

・入浴剤について
  
入浴後には、無くなったうるおいを補うために必ず保湿剤の使用を勧めていますが、背中はなかなか外用が難しく、

   先生、背中にはぬれんとですよ! 
と訴えられることがしばしばあります。
 
そのようなときには、お風呂の中で同時に潤いを補給してくれる入浴剤が便利です。
いろいろな種類が出回っていますが、避けた方がいい成分として
   

 
湯の花、イオウ(乾燥が進む)  

炭酸ガス系(血管拡張して温熱効果あがり掻痒が悪化する)
 
などがあります。
 
また肌が敏感な患者さん(アトピー性皮膚炎など)は香料や色素、植物エキスなどを多く含んでいるものにも注意が必要です。
できたら低刺激のものを選ばれるといいでしょう。
 
 
冬は乾燥を避けることはなかなか難しいですが、上手に保湿剤や
入浴剤を使用して乗り切っていくことが大切です。
 
家事、育児、介護などで家の中でも忙しい方も多いと思いますが、お風呂上りの保湿剤は5分以内に塗るようにしましょう。。
 
保湿剤はたくさん出回っていますのでそれらを上手に利用されてもいいと思いますが、
乾燥やかゆみでお困りの方は皮膚科にご相談くださいね。
 
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